「MacとWindows、どっちを買えばいいですか?」
「MacBookが気になるんですけど…」
こんな質問をされたら、多くの人はこう答えるでしょう。
- Excelを使うならWindows一択
- クリエイティブ作業ならMac
- コスパ重視ならWindows
- デザインや操作性ならMac
でも、ちょっと待ってください。
本当に大切なのは、そこじゃありません。
パソコン選びで最も重要なのは、
「あなたが何をしたいのか?」
「どんな体験を求めているのか?」
この2つを深く掘り下げることです。
文書作成? 動画編集? プログラミング?
サクサク動く快適さ? 美しい画面? 直感的な操作性?
用途と求める体験が明確になれば、Mac vs Windowsの答えは自然と見えてきます。
この記事では、
- Windows歴30年以上(開発・SE経験あり)
- MacBook Air 1年間の使用経験
- 現在も仕事でWindows、プライベートでMacの2台持ち
という実体験をもとに、あなたに最適な選択肢を見つけるお手伝いをします。
ちなみに
わたしがおすすめする、ノートPC / Mac は、次のとおりです。
用途別 OS 判断一覧表:あなたの用途に最適なOSをどれ?

最初に、
よくある代表的な用途について、
- Mac と Windows の評価
- おすすめのOS
を一覧表にしましたので、ご覧ください。
あなたのOS選びの方向性が見えてくる はずです。
| 用途・目的 | Mac | Windows | おすすめの OS | コメント |
|---|---|---|---|---|
| 1. Excel / 履歴書作成 | 〇 / △ | ◎ / ◎ | Windows | 厳密な互換性が必要な場合は Windows が最適です。 |
| 2. メモ/ 学習のまとめ | ◎ | 〇 | Mac | iPhoneなどApple製品との連携が 非常にスムーズです。 |
| 3. 動画/ 画像編集 | ◎ | 〇 | Mac | 費用を出してもいいなら、 快適性は Mac に軍配が上がります。 |
| 4. ドラマ/ 映画視聴 | ◎ | 〇 | Mac | ディスプレイや音質といった 「体験の質」も Mac が安定して優れています。 |
| 5. Windows アプリ | △ | ◎ | Windows | Mシリーズのマシンは仮想化ソフトが必要。 パフォーマンスに難アリです。 |
この表だけで
「自分はWindowsだな」
「いや、Macのほうが良さそう」
と感じる方もいると思います。
一覧表の意図について
この一覧表の診断のコアになっているのは、
- 用途への実用性の高さ → 互換性・汎用性
- 体験の質の高さ → 画面・音・操作感・連携のしやすさ
これらのどちらを優先するか、という軸です。
たとえば、周りの環境が
- 仕事で既存の Excelファイルを使う
- 履歴書が Excelテンプレートで配られる
と言う用途なら、Excel の互換性は無視できません。この場合、
一方で、
- ブログや動画配信が中心
- メモや学習記録を iPhone と一緒に使いたい
- 映画やドラマを「きれいな画面&いい音」で楽しみたい
という用途と体験を重視するなら、
毎日の満足度は、確実に高くなります。
「Excel の安心感」を取るか、
「自分の体験の質」を取るか。
このあたりをかんがえつつ、
詳細を掘り下げていけば、
自分にとっての答えがよりはっきりしてくるはずです。
次のセクションからは、
それぞれの用途における
具体的な優劣
Macを選んだ場合の現実的な対策
について、掘り下げていきます。
MacとWindows の比較:Excel 互換性について

まずは、多くの人にとって一番大きなハードルになる、Excelの互換性 から。
ここは Macを選ぶ上での 最大の壁 といっていい部分です。
①【実務】互換性が求められるテンプレートやExcelファイル
Excel はもともと「Windows が前提」
Microsoft Excel はMicrosoft 社の製品ですから、基本的に
Windows 上での動作の優先度が高い
です。
しかも2025年現在も
Windows PC が世界のシェアの約70%を締めています。
履歴書テンプレートや社内フォーマットも Windows でつかう前提で作られていると考えていいでしょう。
そのため、
- 複雑な関数
- VBA(マクロ)
- レイアウトの厳密な再現性
などが使われているテンプレートや
フォーマットの正確性を求めるのであれば、
Excel のために Windows をえらぶ のが無難です。
Mac版 Excelは「まったく同じ」ではない
Mac にも Excel はありますが、次のような違いがあります。
- 一部の機能や表示が、Windows版とすこし違う
- フォントが違うため、レイアウトが崩れることがある
- マクロは動くが、完全互換ではない
なので、
企業が提供するテンプレートや、
Excel ファイルを使うとき、Mac 版 Excel を使って編集すると、
レイアウトや動作上の問題が生じたり、
保存時に元のファイルではなくなったりします。
一方で、
「そこまでExcelにこだわりはない」
「表計算ができればいい」
という人には、Mac でも十分な代替策があります。
②【代替策】Webサービスや、Mac版ソフトをつかう
Microsoft Excel に代わるソフトとしては、2025年現在、次のようなものがあります。
- クラウドサービスの「Googleスプレッドシート」
- Mac標準のアプリ「Numbers」
- オープンソースのオフィスソフト「LibreOffice」
代替案その1:Googleスプレッドシート(最有力)
代替え案の一つは、
Googleスプレッドシートを使うことです。
Googleスプレッドシートには、次のような特徴があります。
- 無料
- ブラウザさえあれば MacでもWindowsでも同じ
- クラウド上で動くので、インストール不要
- 共同編集がしやすい
- 常に最新で、バージョンの違いを気にしなくていい
私自身、Excel は使っておらず、
Googleスプレッドシートで次のことをやっています。
家計簿
ブログの管理
簡単なデータ集計
などなど・・・
これらはすべてスプレッドシート で作成して、自分の生活の役に立ててます。
他の人にファイルを見せたい、
一緒に編集したい、
そんな場面でも、
Googleアカウントさえあればできるので、実務でもかなり実用的、優秀なソフトです。
代替案その2:Mac標準の「Numbers」を使う
Macには Numbers という表計算ソフトが標準で入っています。
- 見た目が綺麗
- 簡単な表であれば十分
- 初心者にはとっつきやすい
ただし、
互換性という意味では Excelとは別物、と考えたほうがいいでしょう。
代替案その3:無料の LibreOffice を使う
LibreOfficeという無料のオフィスソフトもあります。
- Excelファイルを開ける
- WordやPowerPoint相当のソフトも揃っている
完全互換ではありませんが、こちらも
「脱Microsoft」を掲げるヨーロッパ諸国では、
LibreOfficeを正式採用
している国が増えてきています。
MacとWindows の比較:ドラマ・映画視聴、Apple製品との連携

ここからは「体験の質」について、お話していきます。
結論からいうと、
ドラマ・映画視聴や、
iPhone など Apple 製品との自動連携
これら快適さを重視するなら Macが圧倒的に有利 です。
ディスプレイ:Macは「きれい」が標準
MacBook Air / Pro はどちらも、
- Retina ディスプレイ
- 高い解像度
- 基本 HDR対応
を備えています。
とにかく 文字がくっきりしていて、色がきれい です。
ネットフリックスや
Amazonプライムでドラマを観るだけでも、
「あ、これは違う」
とわかります。
WindowsにもHDR対応のディスプレイはありますが、
- メーカーによるバラつき
- 価格帯による品質差
これらがあり、
「どれを選んでも安心」
とは言いにくいのが正直なところです。
スピーカー:MacBook はノートPCとは思えないレベル
MacBook に搭載されているスピーカーは、本当に優秀です。
- 音に厚みがある
- 低音もそこそこ出る
- 音量を上げても割れにくい
一方で、
多くのWindowsノートPCは、
「とりあえず音が出ます」
というレベルのものがまだまだ多い印象です。
iPhone や iPad とのデータ自動連携は便利すぎる
もしあなたがすでに iPhone を使っているなら、Macの魅力は一気に増します。
- メモアプリの同期
- 写真や動画をAirDropで即転送
- コピー&ペーストをMacとiPhoneで共有
- iCloudでファイルをシームレスに扱える
「ちょっとしたメモ」をiPhoneで書いて、あとでMacで続きを書く。
「ブログ用の写真」をiPhoneで撮って、すぐにMacで編集する。
こうした動きが
ほぼストレスゼロで実現できる
こういうのが、Apple製品をつかう強みですね。
Mac は動画編集などクリエイティブ用途に最適
もしあなたが、将来的に
- YouTube や Tiktok などの動画配信をしてみたい
- ブログ用の画像を本格的に加工したい
- 音声編集やポッドキャストにも挑戦したい
といった
クリエイティブな用途を考えているなら Macは最適です。
というか、「もう決まり!」でしょう。
マルチメディア関連のソフトも Mac のほうが充実しており、
- Final Cut Pro
- Logic Pro
- DaVinci Resolve
- Adobe系アプリ
このあたりを使うのであれば、
Mac でつかうイメージしか頭に浮かびません。
また、YouTube、TikTokなどの
配信系Webサービスを始めるのなら、
Windows より Mac のほうが手軽に始めることができます。
体験の質を優先したい人向けの Mac 情報

ここまで来ると
「Mac を購入しようか」
と心が傾いている人もいるのではないでしょうか。
でも購入する前にもう少し、
Mac の疑問点や不明点についても考えてみましょう。
ここからは、「価格よりも、使い勝手や体験を優先したい」という方向けの実用的な視点での説明です。
今はアプリよりも Webサービス
昔は、
- 年賀状ソフト
- 家計簿ソフト
- 画像編集ソフト
- メールクライアント
といった形で、
「何をするにもアプリをインストールする」のが当たり前
でした。ですが、
今はかなり状況が変わっていて、
ほとんどの作業がWebサービスだけで十分です。
今現在(2025年)では、
以下のWebサービスでアプリと同じ事ができてしまいます。
- 年賀状 / 画像編集 → CanvaなどのWebサービス
- 家計簿 → マネーフォワードme などの Webサービス
- メール → Gmail や Outlook for Web などの Webサービス
- 文書作成 / 表計算 → Googleドキュメントや Googleスプレッドシート
- メモ → Googleキープ / Notion / Obsidian / Appleメモ
しかも無料(一部有料)です。
わたしも上のサービスを利用しています。
Mac はアップデートが少ない
ところで、最近の Windows は
アップデートが多く、ほんとうにうざったいです。
次は、わたしがよく感じることです。
- 仕事を終わらせて、出かけようというときに「更新があります」と言われる
- その更新に数分、時には十数分かかる
- 朝に作業開始しようとすると「更新プログラムを構成しています…」
- 予告なしにいきなり再起動することもある (さすがに最近は見ませんね・・・)
その点、Macは
アップデート頻度もかなり少なめです。
また ウィルスの数も Windows に比べてかなり少ないです。
Unix系のOS だから、という理由があります。(ほかにも理由があるかも知れません)
Mac はトラブルに強く、Apple サポートで初心者も安心
Mac は安定していて、トラブルもすぐ解決できます。
理由は、
Apple社だけが販売しているからです。
Windows PC はトラブルの原因が多岐にわたります。
販売メーカーが異なるためです。
色々な可能性があるので、
トラブルの解決がかなり大変なのです。
Mac なら Appleサポートだけで解決されます。
サポートも丁寧です。
Macはこのように、メンテナンス面においても
- Unix系のセキュリティの強さ
- Appleによる ハード/ソフト両面からの完全サポート
を両立してくれます。
システム開発には Mac ユーザーが多い
システム開発やアプリ開発では、
Macユーザーが本当に多いです。
私見ですが、次のような理由があると考えられます。
- サーバー側が Unix/Linux系が多く、macOSもUnix系なので、ターミナルでの操作がしやすい
- 開発ツールも多く、使いやすいツールが充実している
- クロスプラットフォーム開発にも向いている
もちろんWindowsでも開発はできます。
でも基本「Unix系の世界」なので、
おなじ Unix系の Mac のほうが使いやすいのです。
Mac はリセールバリューが高い
Mac は、中古市場で高価で売れます。
これは Mac の強みです。
- Apple製品には高い需要がある
- メルカリなどのフリマでも、比較的高値で売れる
- 数年前のモデルでもそれなりに値がつく
- たとえ故障しても、ジャンク品として買い手がつくことがある
もしデータ消去に不安があっても大丈夫です。
- 初期化手順が公式に用意されている
- わからなければ Appleサポートに電話すれば教えてもらえる
なので、安心して売ることを考えられます。
つまり、
「もし自分に合わなかったら、売ってしまえばいい」
と言えるくらい、購入リスクが小さいPC ともいえます。
Mac と Windows の2台持ちはおすすめ

ここまで読んで、
「それでもやっぱり決めきれない…」
「Excel も Mac の体験もどっちも捨てがたい…」
という方もいると思います。
であれば最終手段、2台持ちになりましょう。
2台持ちは最強
次のような感じです。
- メインマシン:自分がやりたいことをする用(MacBook Air / Pro)
- サブマシン:ExcelやWindows専用ソフト用(中古のWindowsノートPC)
こうして 用途を完全に分割してしまう ことで、
- OSの切り替えで悩まずにすむ
- 互換性の問題も気にしなくていい
- トラブル時も「用途の片方だけ」を考えればいい
と、とてもシンプルな状態になれます。
サブマシンは、安く手に入れよう
中古の PC は専門店で購入しましょう。
私自身も、(状況が多少違いますが)MacBook Airの前は
専門店のオンラインサイトで購入した、中古のThinkPad X1 Carbonを使っていました。
「2台目として中古Windowsを持つ」
という選択はかなり現実的です。
まとめ:あなたの「新しいOS」を決めるチェックリスト
どうでしたか?
どちらを選んでも、
パソコンは、あなたの生活や仕事の質を、1ステップ上にあげてくれるでしょう。
大事なのは、
「何を優先したいか?」
を自分の言葉で決めてから選ぶことです。
ぜひ、あなたの新しいPCライフを、納得のいく形でスタートさせてください。
最後に、これまでの話をチェックリスト形式でまとめます。
【Windowsを選ぶべき方】
- Excelの互換性が最優先
- Windowsソフトをネイティブで使う必要がある
- 費用を抑えたい
【Macを選ぶべき方】
- Microsoft Officeに強く依存しない
- iPhoneとの連携を活かしたい
- 初心者でサポートを重視したい
- 映像や音の体験を重視
- Macに憧れがある
わたしがおすすめする、ノートPC / Mac は、次のとおりです。
Windows のノートPCは、
NEC/Lenovo グループのノートPCが安定してるのでおすすめです。
Mac がいいと思う人 は、MacBook Air / Pro がおすすめです。
補足:MacでWindows を動かすには?

ここで、一度多くの人が考えるであろう選択肢のひとつに触れておきます。
「MacでWindowsも動かすほうが、最強では?」
結論からいうと、
- 昔のIntel Macなら「Boot Camp」でよかった
- しかし、今の Mシリーズのチップでは使えない
- 仮想化ソフトなら、動くことは動く
というのが現状です。
Mシリーズのマシンでは Boot Camp が使えない
以前の Mac では Intel CPU が使われていました。
ですが、今販売されているMacのほとんどは、
M1、M2、M3(最近は M4、M5)などのMシリーズの Apple Silicon (CPU) です。
このCPUは、
従来のIntel製CPUとは アーキテクチャが異なるため、「Boot Camp」が使えません。
つまり、
Windows を“直接インストールして使えない、
↓
最新の MacBook 、Apple Silicon 世代では、
Mac と Windows の切り替えはムリ
ということです。
Parallels など仮想化ソフトの現実
もちろん、
まったく手がないということはなく、
次のような仮想環境ソフトを使えば、
Windowsに近い環境をMac上で動かすこと自体は可能 です。
- Parallels Desktop
- VMware Fusion
ただし、それは あくまで「エミュレーション(仮想化)」 です。
仮想環境ソフトには、次の特徴があります。
- CPUの動きをソフトウェアで再現。その分どうしても処理が重くなる
- ストレージやリソースを多く消費する
- ゲームや特殊な業務アプリは正常動作しないこともある
「たまに動かせればいい」ならまだしも、
毎日がっつりWindowsを使うにはストレスが大きい というのが正直なところです。
それにコスト的にも
全く無料になるわけでもありません。
なので、どうしても WIndowsが必要な場合は、 2台持ちがおすすめです。




